岸田戯曲賞作家で、舞台のほか映画の脚本・監督を手がける鴻上尚史。テレビやラジオでの活躍もめざましい。本書は著者の20年におよぶ演出経験から編み出した魅力的な人になるためのヒント集。メイクやヘアスタイル、ファッションと同様に、ふだんは意識しない感情、声、体、言葉にも気を遣おうというもの。これまでにない「素敵な自分に出会うための」ハウツー本である。 まず、「感情のヒント」として喜怒哀楽の感情への距離を自覚することが大事と説く。次の「声のヒント」は、自分の声を楽器とみなして体と共鳴させ、声で遊ぶことをすすめる。「体のヒント」では、体の内と外、双方向からの作用を意識する方法に教え、最後に、“三つの輪”の中から状況を判断し、有効な言葉を選ぶための「言葉のヒント」を伝授。いずれもイラストや表などを使って丁寧な語り口で書かれているのがうれしい。この“4つの鍵”を開けて自分自身を知り、毎日を楽しく輝かしいものにしてみよう。(鹿野育子)
魅力のヒントはあなたの中にある
新しい何かを付け加えて魅力を増すのではなく、自分がすでに
もっているものに目を向け魅力を開発する。これはなかなか
できないことですが、この本はあなたの中にあってまだ現れて
いない魅力を引き出すヒントを数多く提供してくれます。
分かっているようで実は分かっていない自分の身体のこと。
声、感情、言葉など客観視するのがむずかしい領域を捉え
なおすためにこの本はお勧めです。
自分が自分を変える
いつまでも魅力的になるためには、年齢関係なく
幸せな毎日を送るということも大切だなと思いました。
何よりも、日々の心がけが大切ですね。
「感情」「声」「体」「言葉」まず、意識すること
自分の魅力を演出するものとして、一般的に人が意識するのは「顔を含めた外見」という外側、そして「人生経験」などの内側、もう一つあるとすれば、「対人関係のうまさ」などの対人間的魅力だろう。これは、僕がこの本を読む前に持っていた人の魅力の考え方でもあった。1.外見 2.内面 3.対人間的なもの しかし、本書を読むと、この考えかたがいかに大雑把な捉え方であり、表面上の問題に過ぎないかに気づかされる。著者はこれらの三つの観点を、少し違った角度からみるという見方を気づかせてくれる。つまり、それらを「どう表現するか」という部分を意識すると言うことが大事だということを教えてくれる。わかり易い例でいうと、声がある。単純に声と言うが、これにはさまざまな使い方がある。早さ、間、音色、高さ、大きさ。高さで言うと心から一番遠いところのことを話すとき声は高くなるらしい。そういう種類の事を意識的に行うことにより、声に表情がうまれ、人を引き付ける話し方にもなるのだ。 また、非常に面白い発見として、「第一の輪」「第二の輪」「第三の輪」という考え方がよかった。第一は一ごとの世界、第二は二人の世界、第三はみんなのせかい、それぞれに話し方がかわると言う。それを意識することによって、伝えるべき内容も変わってくるし、受けての印象も断然変わってくる。 このように、目に見えない部分を技術的に学ぶことにより、魅力を増すということは言われてみれば確かに納得できることなのだが、それに普通の人は気づかないと思う。やはり、演出家の目の付け所は違うと思い、感動した。 読み物としては一般的だし、非常に読みやすい。
人の魅力って?
素敵な服を着て、髪型を決め、アクセサリーをつけることこそ、自分を飾ることだと思っている人いませんか?違うんです。自分の声や感情、体や言葉も飾ることができるんですよ。魅力的な人っていろんな人がいます。でもおしゃれな人のその服は実は世界に同じものがいくつかあったりします。でも自分とまったく同じ声や話し方の人っていますか?すでに自分の声はオリジナルなんです。だから意識して、ちょっと表現に気を使えば魅力的にできるんです。いつもと違う視点で自分の磨き方を知ることができ、とてもいい本でした。見た目だけじゃない!自分のよさを引き出してみたいなとおもわせる1冊です。
私にはあんまり、でした。
ここでの評価も高く、職業柄読んでみようと思い、購入したのですが、 題名にもあるように、本当に「ちょっとした」ヒントに過ぎません。 私はどんな本でも、本を読むときには鉛筆を片手に持って、 重要だと思われる部分、教わった部分などに線を引きながら 読むのですが、この本ではそういうところが1ヶ所も ありませんでした。 自分自身が人前に立つ仕事を三年ほどしていて、 そういう私にとっては、特に学ぶことがなかった、と思います。
講談社
発声と身体のレッスン―魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために 表現力のレッスン 俳優になりたいあなたへ (ちくまプリマー新書) 真実の言葉はいつも短い (知恵の森文庫) 孤独と不安のレッスン
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